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【2024/11/22 04:32 】 |
きれい事は必要ない
「世の中はいかに不条理で不合理なものなのか」
「世の中に希望なんて都合のよすぎるものなんて存在しない」
「いくら努力したって報われない」
「愛なんてものは幻想だ」

簡単には論駁できない言葉です。
お客様の中には、何をどう頑張っても苦悩から脱することができないという過酷な環境にいる方が多くいます。

 「きれい事は聞き飽きた。それで何が変わるというのだ」

言葉に出さずとも顔にそう書いてある。それを察しながらタロットカードを取り出す私。筆舌に尽くしがたい修羅を背負って私の店に来るお客様はそれでも何かを私に求めているんです。

あるお客様は私にこう言われました。

「生きていて何が楽しいのでしょうか。飽きたんです。早く死にたいです」

悲しむ人がいるからやめなさい
命は重いんだ。
生きたくても生きられない人がいるんだ。甘えるな。

おおよその方はこのように返すでしょう。しかしこれらは全くの無駄な言葉。だって、全ての言葉を自問自答したうえでの結論だからです。

これこそがきれい事。
そして聞き飽きたと言われることでしょう。

私は、お客様の問いに答えず、カードを開きながらひたすらお客様の半生を語りました。

小学時代から今までのこと。決して成功と言えない人生。でもひたむきに生きてきた姿。人に裏切られ地べたを這ってでも人を信じ抜いた心。

思いは全く報われない。
思いは全く人に伝わらない。

それが故に絶望し、心を閉ざす。

しかし私はそれが見える。淡々と事実とその思いのみを伝える私。ほぼ全てが過酷で目を覆いたくなる事実。でも思いは純粋で澄んだ気持ちで溢れてました。そして私は言いました。

「これがお客様の全てです。そしてそんなお客様を私は尊敬します。それほど尊いものだと私は思います。それでもご自分の人生を否定されますか? 世の中は不平等で理不尽です。これから先もそれは続くかもしれません。でも、お客様の魂は少なくとも私は感じましたよ」

お客様は泣き崩れました。そして私の手を握りながら深々とお辞儀をしながら帰られました。

結局私は何もできませんでした。決して状況が改善したわけでもない。そんなに簡単なものじゃないんですよね。

夢や希望。私は追い求めたいと思っています。とても素晴らしいことです。しかし、それら全てが「きれい事」「空虚な言葉」に転じることがあるのも事実。

でもそれでも生きていてもらいたい。自分を心から肯定してもらいたい。私自身、それができなかったことがあるだけに、その苦しみを少しでも軽くしたい。そんな思いでお仕事をさせていただいています。
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【2012/07/03 16:26 】 | エッセイ | 有り難いご意見(0)
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